Kamenose: a natural barrier on
the border of Nara and Osaka
Prefectures and a place
that has both coexisted with
and struggled against landslides
throughout history
4万年前から地すべりが
繰り返されてきた難所であり、
古代より都の西の玄関口として
交通・経済・治水を支えてきた「亀の瀬」。
人々は最新の土木技術を投じてこの要地を守り、
龍田の風の神に旅や暮らしの
安寧を祈願してきました。
この地に立つと地すべりの脅威を
感じるだけでなく、
災害と向き合い未来へ歩む日本人ならではの
心のありようが見えてくるはずです。
Situated in a treacherous part of a valley through which the Yamato River runs that has been prone to landslides for 40,000 years, Kamenose was once the western gateway to Nara, the ancient capital of Japan, and a place of great significance to communications, economy, and flood control. From ancient times, the latest in civil engineering has been employed to protect this important location and people have offered prayers to the wind god, Tatsuta, for smooth travels and peaceful lives.
Visiting Kamenose gives you not only a sense of the threat that landslides can pose; it will also give you a glimpse into the mindset of the Japanese people, faced with the many threats of nature head on as they move the nation forward.
構成文化財
万葉和歌
龍田古道をゆく
万葉びとが残した、
想いにふれる。
龍田古道の道中にある亀の瀬は山に挟まれた天然の関所であり、また地すべり地として人々に恐れられていたため、万葉集では国境の峠が「恐(かしこ)の坂」と詠まれています。
多くの文化人や貴族が龍田古道を通るようになると亀の瀬は「都を離れるノスタルジーの象徴」にもなりまた。そのため、多くの万葉びとは恋人や家族を想い、龍田山を歌に詠んだのです。
Kamenose was regarded not
only a natural barrier―the 8th Century
anthology of poems, the Man’yoshu,
describes the landslide-prone pass as the Kashiko no saka
(“Hillside of dread”),testament to the psychological hurdle this dangerous place presented
to those who traversed it .As many cultural figures and members of the nobility
began to travel the Tatsuta Kodo,
Kamenose not only became a symbol of fear, but also one of a nostalgia as travelers left the capital. For this reason, many Man’
yoshu poets wrote about Mt. Tatsuta and the thoughts of lovers and family it provoked.
インタビュー
災害と共にあった
「亀の瀬」への眼差し。Living with Disasters:
Perspectives on Kamenose
- 地域の方々が誇りを持てる、
観光地としても
魅力のある町にしたい。 三郷町長木谷 慎一郎さん - 日本遺産を核に
住民、事業者、観光客の方々の
ワクワクを広げていきたい。 柏原市長冨宅 正浩さん - 龍田の風を受けながら、
自然と共生しようとした
先人の想いや祈りを感じてほしい。 龍田大社 宮司上田 安徳さん - 日本遺産を通して地域の価値を
伝えていくことが、
地域の未来につながる。 株式会社JTB総合研究所 執行役員
日本遺産「龍田古道・亀の瀬」
地域活性化計画推進アドバイザー河野 まゆ子さん - 日本において極めて重要な
災害遺産「亀の瀬」を地域の方々、
旅行者が楽しめる場所へ。 大和川河川事務所 建設専門官宮田 大悟さん - 地域の歴史や景観と
産業を結びつけることで、
独自の商品や体験を提供できる。 カタシモワイナリー 4代目社長高井 利洋さん - 龍田古道に息づく
歴史の奥深さや重さ、
そして地域の地理的
特性を感じてもらいたい 柏原市立歴史資料館 館長安村 俊史さん - 地域の不変性と可変性を
写真に
収めて、その魅力や美しさを
伝えていきたい。 写真家澤 戢三さん - 全国でも類を見ない
貴重なトンネルに、
探求心が刺激される。 総務省 地域力創造アドバイザー
トンネルツーリズムプランナー花田 欣也さん